t.c.lablog

Sound creator, Sound engineer.

Musical grammer

Beat & Rhythm 4.

アウフタクト(Auftakt)/ 弱起(じゃっき)

メロディーには小節の1拍目からではなく、その前に「きっかけ」のような導入部がつく場合があります。このような始まり方をする曲のセクション、または曲を “アウフタクト / 弱起” と呼びます。

と、いう定義なのですが、これはそもそも「曲」のメロディーやリードパートが「一拍目だよね」という観念が大前提になってることに対して「そうではないもの」を表すための作られた用語なんだと思います。現代語の「アウフヘーベン」的な。たぶんドイツ語。綴からしても。
一拍目から始めるメロディーを “強記” というのですが、こちらの「アウフタクト」ほど使われている用語がなかなか見つからないんですよね…(たぶん、「アプタクト」かな?ダンスのリズム用語でたまに使われる)。なので、用語としては「そうでないもの = アウフタクト」のほうが先だったんじゃないかな、と思っています。あー、へ理屈っぽい。

※ 「アップ」と「タクト」で「アプタクト」っスね。指揮棒が上に構えてるって状態だからやっぱ、1拍目ってことよね。少なくともオモテである、と。

例として「A Hard Day’s Night / The Beatles」なのですが、冒頭コーラス部、

It’s been a || har〜d da〜y’s night,

「It’s been a 〜」の部分ですね。

アウフタクトのメロディーでは、曲の始まりだけでなくそのあとに続くフレーズも同じようにアウフタクトになることが多いんですが、ピアノロール上はセクション冒頭でクリップ分けた方が、小節数やセクション構成など把握しやすいです(楽譜なら複縦線)。

A Hard Day’s Nightもブリッジ部、

When I’m h || o〜me everything〜 て、なってますね。

ポピュラーじゃ今は当たり前のようになってるんで、意識することはないかも、なのですが、こういうやつです。


シンコペーション(Syncopation)

アウフタクトの、よりミニマルなもので、ワンフレーズ単位のアクセントを「前の拍に少しだけ食い込んだようになっているもの」、「アクセントをずらしてリズムの規則的な刻みを変化させたもの」を “シンコペーション”といいます。

まぁ、例によってリズムにはオモテ・ウラがあり、前提としてアクセントは「オモテ」と考えられていて、ウラにアクセントがくるものがシンコペーション、ということになるわけです。
そもそも「シンコペーション」という言葉自体のアクセントは「ペー」で、シンコペーションなので(カオス!w)、どんなの?の、覚える目安にいいかもしれません。

メロディでいうとすげえ細かいのでわかりにくいかもですが、「Y.M.C.A. / Village People」のコーラス部、

Y M C A の「A」ですね。食ってるでしょ。

この曲、他にもいっぱいシンコペーション満載ですよね。こういうやつです。

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